杳子・妻隠(つまごみ) (新潮文庫)作者: 古井由吉出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1979/12/27メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 76回この商品を含むブログ (55件) を見る第６４回芥川賞受賞作を含む２作収録。今まで読んだ芥川賞作品の中ではトップクラスの…

芽むしり仔撃ち (新潮文庫)作者: 大江健三郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1997/08メディア: 文庫 クリック: 43回この商品を含むブログ (44件) を見る大戦末期に感化院から僻地の山村に集団疎開した少年たち。疫病の流行とともに、村に取り残された少年た…

山ん中の獅見朋成雄作者: 舞城王太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (90件) を見る背中に鬣（たてがみ）が生えた中学生獅見朋成雄は、山に住む地元の書道家杉美圃モヒ寛に書を習い始め…

溺レる作者: 川上弘美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1999/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (24件) を見る川上さん独特の空気感全開の短編集。読んでいると幽玄だとか玄妙なんて単語が頭に浮かんでくる。出てくる人が駄目…

この人の閾 (新潮文庫)作者: 保坂和志出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1998/07メディア: 文庫 クリック: 113回この商品を含むブログ (84件) を見る第１１３回芥川賞受賞作を含む四編を収録。保坂さんは小説家である。これは、単に職業のことを言っているので…

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)作者: 小川一水出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/10/01メディア: 文庫購入: 21人 クリック: 227回この商品を含むブログ (237件) を見る時は２６世紀、地球は壊滅させられ、人類は太陽系の片隅に追いやられていた。人類を目の…

オーデュボンの祈り (新潮文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/11/28メディア: 文庫購入: 21人 クリック: 154回この商品を含むブログ (832件) を見る伊坂幸太郎デビュー作。デビュー作とは思えない完成度で楽しませていただきました。…

グロテスク作者: 桐野夏生出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2003/06/27メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 243回この商品を含むブログ (182件) を見る実際に起こった東電ＯＬ殺人事件をモチーフに人間の醜さと心の闇を描ききった桐野夏生渾身の大作。この…

蒲生邸事件 (文春文庫)作者: 宮部みゆき出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2000/10/06メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 48回この商品を含むブログ (128件) を見る予備校受験のため上京してきた孝史は、ホテル火災に巻き込まれる。間一髪で謎の男に救出さ…

いい子は家で作者: 青木淳悟出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/05メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 14回この商品を含むブログ (40件) を見る詳細に執拗に家庭のあれこれを記述することで現代の家族の実態を浮き彫りにしようとする野心作である。彼が…

どうで死ぬ身の一踊り作者: 西村賢太出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/02/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 142回この商品を含むブログ (164件) を見る藤澤清造という無名の作家に異常な執着を示し、彼のために奔走する男の生き様を描いた強烈な私…

なんとか全部読めました。ギリギリですね。僕の中の順位は 『マイクロバス』 ＞『婚礼、葬礼、その他』 ＞『時が滲む朝』 ≧『眼と太陽』 ＞『月食の日』≧ 『ctの深い川の町』 ＞『走ル』 実力の小野、人気の楊逸って感じかな。ただ、やっぱり楊逸の作品の分…

文学界 2008年 05月号 [雑誌]出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/04/07メディア: 雑誌 クリック: 2回この商品を含むブログ (8件) を見る盲人の隆を中心に彼をめぐる人々を描く群像劇。この作品の特徴は大きく二つあって、まず主人公が目が見えないという…

文学界 2008年 03月号 [雑誌]出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/02/07メディア: 雑誌 クリック: 11回この商品を含むブログ (21件) を見る幹事を任されている友だちの結婚式に出向いた矢先に、職場の上司の父親の訃報が告げられ、急遽そちらに参加しなく…

新潮 2008年 04月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/03/07メディア: 雑誌 クリック: 2回この商品を含むブログ (7件) を見る知的障害を抱えた成人男性を軸に、彼を取り巻く人々の悲哀や地方の閉塞を描き出した力作。今回の芥川賞候補作のなかでは…

群像 2008年 06月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/05/07メディア: 雑誌 クリック: 14回この商品を含むブログ (23件) を見るすべてが嫌になり故郷に帰ってタクシー運転手を始めた男とそこで出会った人々との交流を描く。ちなみにｃｔとはタクシ…

文学界 2008年 06月号 [雑誌]出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/05/07メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (19件) を見る天安門事件の前夜の中国で、学生運動に燃える若者たちと彼らのその後を描く。この小説を読んで、社会が…

文藝 2008年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/01/11メディア: 雑誌 クリック: 10回この商品を含むブログ (11件) を見る部活の朝練後、急な衝動に駆られた高校生がロードレーサーと呼ばれるレース専用の自転車で東北地方を駆け上る。…

文藝 2008年 05月号 [雑誌]出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/04/07メディア: 雑誌 クリック: 24回この商品を含むブログ (37件) を見るアメリカで働いている語り手の私が、現地でトーリという子持ちの女性と出会い、恋仲になり、結婚し、三人で日本…

題１３９回芥川賞候補作が発表されたということで、とりあえず一通り目を通してみたいと思います。何分テスト間近でもあり、全てを読めるかはいささか不安ではありますが。下馬評では北京五輪が控えているので、楊逸圧倒的有利と言われてるけど、僕としては…

アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)作者: 古川日出男出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/07/01メディア: 文庫購入: 25人 クリック: 209回この商品を含むブログ (208件) を見るアラビアの夜の種族 II (角川文庫)作者: 古川日出男,片岡忠彦出版社/メーカ…

みんな元気。 (新潮文庫)作者: 舞城王太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/05/29メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログ (107件) を見る舞城王太郎を語る際に文体と、その文体が産み出す疾走感がよく言及される。でも、舞城王太郎…

ビタミンF作者: 重松清出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2000/08メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (41件) を見る第１２４回直木賞受賞作。父親をテーマにした短編集。元来、文学において父親とは、対立するもの、乗り越えるものの象徴と…

ぐるぐるまわるすべり台作者: 中村航出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/06/09メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (63件) を見るモラトリアム特有のふわふわした地に足が着かない浮遊感が文章全体から伝わってくる。小学生のときのよう…

フラグメント (新潮文庫)作者: 古処誠二出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/04メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (38件) を見る大地震によりに地下駐車場に閉じ込められた高校生６人と担任教師。その極限の状況下で起きた少年の…

接近 (新潮文庫)作者: 古処誠二出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/07/28メディア: 文庫 クリック: 14回この商品を含むブログ (27件) を見る国内最大の地上戦が行なわれた沖縄。凄惨な沖縄戦の実態を一少年の視点から描く。作者の古処誠二は1970年生まれで…

目覚めよと人魚は歌う (新潮文庫)作者: 星野智幸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/10/28メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (68件) を見る第１３回三島由紀夫賞受賞作。日系ペルー人ヒヨヒトは、暴走族の少年を半殺しにし、恋…

1000の小説とバックベアード作者: 佐藤友哉出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (165件) を見る第２０回三島由紀夫賞受賞作。同年代の乙一や西尾維新に比べると佐藤友哉は小説を書くという…

ナンバーワン・コンストラクション作者: 鹿島田真希出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/07/28メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (34件) を見る『６０００度の愛』と異なり、寓話風の物語で読みやすい。けど、分かりやすくはな…

優しいサヨクのための嬉遊曲 (新潮文庫)作者: 島田雅彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2001/07/30メディア: 文庫 クリック: 30回この商品を含むブログ (50件) を見る島田雅彦のデビュー作。当時、将来を嘱望されていただけのことはあって文章の端々から早熟…