『ボトルネック』米澤穂信
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/08/30
- メディア: 単行本
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この作品に描かれているように思春期にはたしかに自分をボトルネック(不要な部分)と思わせる作用があって、それが何かといったら、絶望で、そして絶望の前提条件として希望がある。希望の反動としての絶望。だとしたら、僕が今傷つかずに済むのは、ある種の諦観によるものであって、人生とも社会とも将来とも手打ちをしてしまったからだ。もう決して戻りたくないとはいえ、傷つくことを厭わず希望を希求していたあのころの自分に一抹の羨ましさも覚えてしまう。